テレビはやっぱり凄い 〜熱闘甲子園〜

普段、殆どテレビを見ない僕も、この時期の夜はテレビにかじりつく。今日、テレビ朝日の『熱闘甲子園』を観ていて、やっぱりテレビ局の作るコンテンツは凄いと思った(普段テレビを殆ど観ないから余計にそう感じるのかも知れないけど)。

高校野球はただ試合をテレビで観ているだけでも、選手や彼らを支える人たちの気持ちを勝手に妄想して感動できる。だけど、舞台裏というか、NHKの中継だけでは知ることのできないエピソードを『熱闘甲子園』が添えてくれることで、よりドラマティックに感動させてもらえる。番組を制作している側も僕の要望をよく心得ていて、僕が高校野球に求めている「儚さ故の感動」的なモノを、選手はもとよりその家族にまで取材範囲を広げて伝えてくれる。

今日の番組内容で言えば、残念ながら敗退してしまった茨城・常総学院のエースピッチャー島田君の親御さんが、21年前に木内監督の下で準優勝をもぎとった時のエースと女子マネで、お母さんは今また選手のユニフォームを洗濯している──だとか、今日、一回戦を勝ち抜いた沖縄・浦添商のエースが、地方大会の決勝で破った選抜の優勝校・沖縄尚学のエースからお守りを託されていた──だとか、そういったエピソードが30分という時間に濃縮されていた。

ネットではマスコミ不要論だとか、一般大衆のマスコミ化なんて言葉をちらほらと見かるけれど、今のインターネットを見ていても、夏の数週間で消化されるコンテンツに数ヶ月という時間を掛けて取材して、取材した野球部が勝ったときと負けたときで異なる映像を準備しておいて試合の当日に放送する、なんていうことが為されるように進化するとは到底思えない。常総学院・島田君のお母さんが、21年前に女子マネとして洗濯していたときの映像とか、ほんと、よく見つけてきたなと思う。そういう使えるレベルの素材の充実も、テレビ局はさすがだ。

テレビ局が良質なコンテンツばかりを流しているとは思わないけれど、とはいえ、ときたまインターネットで生まれる良質と言われるコンテンツは、テレビが流す良質なコンテンツにはまだまだ敵わないんじゃないかなー。